ジャーナリストのパソコンノートブック |
(72)英国の医療制度 |
英国の医療システムの取材に行ってきたばかりのところに,100年一度 のニュースが飛び込んできた。キャメロン新首相が英国が「揺りかごから墓場まで」と医療福祉の中心としたNHS(国民医療制度)を解体するという。第二次大戦後,国民に無料の医療を提供すると云う社会主義者のユートピア的構想は62年間の壮大な実験と失敗を経てこの結論に至った。長い間NHSは世界の垂涎の的である,日本の医療制度にも随分影響を与えた。この制度維持のために,多くの政治家が改革を行なったが,財政赤字は膨らむ一方,医療水準は第三世界並み,診療までの長い待ち時間(一時期2年待ち),精神的不安など良い事はなく, 全ての問題の根源であるNHSの中央集権的な官僚システムを壊すには,NHSの役人140万人(中国人民解放軍と同じ)を解雇する以外に方法はないと,若いキャメロン首相は結論を出すに至った様だ。新システムへの移行までには2年かかるというが,NHS大病院を整理し,地域ネットワークを持つGP(家庭医)を利用する考えだ。 英国人は「ゆりかごから墓場まで」と云う国の福祉政策に全面的信頼を置いていた。私の友人は自慢げに英国では全ての国民が無料で医療を受けられるの,老人は60才からバスや地下鉄が無料,冬の2ケ月は老人には暖房費がタダなの,医療費はNHS (国民医療制度)で運営され,VAT (消費税)を財源にしているけれど,17.5%(来年から20%)という高い消費税は老人の生活には負担が掛からない仕組みだ。食料品などの消耗品には消費税が掛からない,子供の洋服や靴にも,本や,雑誌,新聞にも消費税はかからないという。つまり,老人は高い消費税をとられるレストランで食事せず,無料のバスや地下鉄でスーパーに行き,消費税ゼロの食料品を買って来て自宅で料理し,新聞,雑誌,本を読んでいれば,十分楽なペンショナー(年金生活者)の生活が出来ると自慢していた。 英国政府は充実している様にみえるNHS (国民医療制度)を維持する為に,凄い数の患者の命,国民の医療への信頼感や精神的安寧を犠牲にしてきた事が分った。今年の2月スタフォードNHSトラスト病院事件が明るみに出た。英国の医療制度の抱える問題を縮図にしたような事件であった。英国中部のスタフォードNHSトラスト病院で2005年から2008年にかけて衛生状態の悪い病室で医療放棄,院内感染症で400-1200人が亡くなった。この事件は2003年ディートンさんという停年退職した元役人が病室の受話器の衛生情況の調査を頼まれスタフォード病院の救急病棟を訪れた時の記録だ。トイレの床には尿の水たまりが出来,床にはビショビショの紙が捨てられている。病院の医師や看護婦が使う手洗桶も,黒い垢がこびり着いていた。余りの不衛生さに驚き,目覆いたくなるような不潔さを記録した事から始まった。待ち合い室の椅子には凝結した血液がこびりつき,スポンジの詰め物が飛び出し, 入り口のガラスドア?には床から1メーターの高さにのところに血が飛び散っていた。PPI(患者と市民の関与制度)に報告した。官僚的なPPIも病院も握りつぶした。ディートンさんは地元の新聞に「この町の病院はゴミだめの様だ」という見出しの記事を投稿した。その内,病院の関係者から内部告発で,手術に使ったクリップや鉗子が何回も使い回されている:訓練を全く受けてない受付嬢が緊急患者の診察順序を判断する「トリア?ジュ」という重大な診断を任されている:訓練を受けていない看護婦は心臓モニターの取り付け方や静脈注射が出来ないなどの情報を受けた。 さらに,この病院で "C difficile" (クロリストリジューム・ディフィシル)の院内感染が拡大していると地元の新聞に漏らした病院スタッフのロビン・バスティンが解雇された。この病院は院内感染と云う重大な情報をヘルスケアー・コミッションに報告せず,ひた隠しにしていた。 ジュリー・ベイリーさんは母親をヘルニアの手術で入院させたが,手術後院内感染で母親は亡くなった。ジュリ?さんは母親の枕元で24時間寝ずに介護した時,病室で目にした地獄のような光景を報告している。未経験の看護婦は手助け無しでは食べられない患者に食事を置いて行くだけ,ある老人は興奮した状態で病室を歩き回る,弱っている患者は,お腹をすかせ,下半身汚れたままで放置されている。ある患者は喉の乾きを訴え,病室にある花瓶の水を飲んでいる。痛み止めの薬を処方してもらえず頻繁に悲鳴をあげる患者。ある患者は事故で肘の骨が砕け,傷口が開いたまま数時間放置されたままだ。患者の中には痛みでベッドから転がり落ちる人達もいるし,そこで病院のスタッフを探し回ったとジュリ?さんは語る。「まるで第三世界(発展途上国の)病院みたいだった」。余りひどい事になっているので,ジュリ?さんは,患者に食べさせたり,水を与えたり,何人かの病人をトイレに連れて行ってあげたという。ジュリー・ベイリーさんによるとスタフォード病院NHSトラストの深刻な看護婦不足は,その時期病院を襲った財政危機が原因だと思うと述べた。このトラストは前々から繰り越されてきた 10mポンドの赤字減らしに格闘してきたので,帳簿上収支をとる為に150人の人員を削減した。 「この町の病院はまるでゴミためだ」と云う新聞記事は Healthcare Commission (ヘルスケア・コミッションと云う医療の質を高める独立監査委員会で,医療事故の調査などをする)の注意を引いて,独自の調査が行なわれた。その調査によると,この病院は2006/2007年に看護婦が絶望的に不足していた。看護婦不足は救急病院部門で17名,外科手術部門で30名,内科部門で77名,合計120名が不足していた。2008年時点でも44名。コミッションはこの病院は医師と看護婦数の絶対的不足と,必要不可欠な医療器具の不備の為に患者は苦しみの内に絶命したと報告している。ヘルスケア?・コミッションの177ページにわたる報告書には,痛みを抱えたまま何時間も放置されたり,下半身が汚れたまま,濡れたシーツで長時間放置されるので,褥瘡に苦しむ病人数が増えたと報告している。スタフォード病院がNHSファンデーション・トラストの指定を受けようと必死になっていた事が問題の根源と報告。 当時英国保健省は,NHSトラスト(NHS病院を統括)を独立させ,自己責任で運営できるよう,2004年より,NHSトラストの中で高いパーフォーマンス評価を受けている病院については「ファンデーション・トラスト」に昇格させ,一層の権限移譲がなされ地域住民や職員などの代表による自主的運用が出来るようにしていた。この病院の2005-2008年の役員会議の議事録を調べると,ファンデーション・トラストに昇格するための財務改善ばかりが話し合われ,看護婦不足の問題は一回も議題に挙げられなかった事が判明した。 2008年8月スタフード病院はNHSファンデーション・トラストに昇格した。このためにに400-1200名の入院患者が医療放棄で犠牲になったのである。 スタフォード病院事件は英国政府にとって非常にバツの悪い事件であった。ゴードン・ブラウン前労働党政権はNHSを政治的束縛から開放するという政策をとり, NHSファンデーション・トラストという権限を地方組織に委譲して,「コミュニティ利益会社」として準法人格を与えた。 2010年 3月末で148NHSトラストのうち,129病院がファンデーション・トラストに昇格している。この事件はNHSトラスト病院の運営者が骨の随まで「役人根性」が染み付いていて,医療関係者と云う責任感が皆無で,組織,上司の命令に盲目的に従う役人であり,中央集権的支配に縛られている事を示している。呼名はかわっての,政府は究極的に財源をコントロールしているので,旧態依然とした中央集権的支配が残る」と英国のメディアは厳しい見方をする。 6月10日キャメロン保守党首相はスタフォード病院事件で本格的な調査を開始すると発表し,その日の内に病院を訪れたアンドリュー・ランズレー保健相は政府の調査では,「この病院はファンデーション・トラストに昇格するという目標とコスト削減というノルマに煽られて,患者の医療放棄を起してしまった」とBBCの TVのインタビューに答えていた。 TVの画面上には病院の壁に亡くなった犠牲者の,元気な頃の写真が貼られてあり,彼等の無垢の笑顔が刺すような痛く感じられた。 ここに来て始めて,英国のNHSは意外に不便な医療制度である事に気が付いた。患者側に病院や医療手段を選択する自由が与えられていないからである。一旦自宅の近くのGP(家庭医)に登録すると,GPは風邪や腹痛ぐらいは処方箋を書いてくれ,専門医の診察が必要の場合,NHSトラスト病院の専門医に予約をとってくれる。 もし,GP(家庭医)にスタフォード病院の医師に紹介され,入院という事になったら,又は救急車で搬送されたら,看護婦の医療放棄に遇い,MRSA (抗生物質耐性細菌)による院内感染にかかると云う運命からは逃れられない。絶望的である。 ここで初めて,英国の病院やケアーホームの新聞記事の見出しに,"lottery"という言葉を多く目にした。"Lottery"とは賭け事という意味と,運命とか宿命という意味もあり,その病院にかかったのが「運の尽き」とか云う意味であろうと推測される。 今年1月米国のオバマ大統領が医療保健制度改革を行なった時,米国共和党議員,与党民主党議員の一部でさえ,オバマ大統領の目指している国民皆保険制度は英国のNHSという社会主義的医療保険制度を盲目的に採用したものであると反対した。反対論者は「英国のNHSは1948年社会主義論者のユートピア構想を実現したものであるが,最初の年から5200万ポンドの赤字で,資金不足,惨じめな状態,苦痛が何十年と続いた」。反対主義者がNHSが社会主義的と批判する論拠はNHSは中央集権的組織体だからだと云う。今回のスタフォード病院事件で私は初めて,米国人がNHSを社会主義的だとか,中央集権的だと批判する理由が分った。NHSは競合相手がなく,サービスを改善して競争力を付けようというインセンティブを全く持たない,従って非効率で,硬直的な運営をする。ある経済学者は「NHSは人員数が140万人を超える,ヨーロッパで最も大きな組織体である。60年もの長い期間,政治家と官僚のノウハウだけで維持し続けてきた,中央集権的にならざるをえない」と指摘した。直接雇用する職員の数として,NHSはインド国営鉄道,中国人民解放軍,米国のウオルーマート(スーパーマ-ケット)に次いで,世界で4番目に大きな組織である。 従って,NHS予算の60%が医者,看護婦,管理,運営スタッフの人件費に消えてしまう。残り20%が薬品と医料品,20%が病院建物,訓練費,医療器機,清掃費に充てられるという。赤字経営のNHS病院はまず清掃費を削る。非衛生な病院の格付けは毎年MRSAの発生件数と共に発表される,衛生白書では南部の病院の病棟にはゴキブリやネズミが発生する病院もあり,MRSA(抗生物質が効かない細菌)の院内感染で死亡する例が多いという。2008年のNHSトラスト病院で検査官が衛生的と認めたのは51病院の中たった5施設であったという。院内感染による死亡者数は年間推定5000人にも上ると云う,間接的に感染で死亡した数を含めると15,000人に上ると云う。その治療のためにNHSに100億ポンド余分な負担がかかっていると云う。 患者を一番不安にさせるのは「診察までの長い待ち時間だ」。今では外来患者が予約を取るのに13週以上待たされる事は無くなったが,97年当時は6ケ月待つのが日常茶飯事。手術を受けるまでに2年間かかる事もあったが,今では26週間以内に手術が受けられる。以前は心臓疾患の患者は順番を待っている間に亡くなってしまったとか,やっと手術台に上がったら,癌がもう手後れの状態だと云う事が多々起きた。この世界的に悪名の高い「受診出来るまでの長い待ち時間」は調べて行く内に,政策的に導入されたものである事が分った。"Rationing"という理論を英国政府は暗黙の内に認めていた。これは軍隊などの配給と云う意味であるが,「割り当て制限」という意味もある。経済学者達は社会サービスで,財政資源などに限りがある場合,制約を加える。つまり財政に「割り当て"rationing"」を設ける事を提起した。1973年の第一次石油危機で財政赤字に苦し英国政府はK・ジャッジ, H・グレナスタ,T・ A・Boothなどの経済学者が完成させた"rationing" (レ?ショニング,割り当て)理論を暗黙の内に採用したという。K・ジャっジによると"rationing"のやり方は: 1) サービスの給付時期を遅らせて,抑制を行なう。(いわゆる待ち時間の長期化) 2) 希釈の考え方の採用により,サービスの水準を下げ,サービスに割り当を設ける。 老人ホーム等で1人当たりのサービス・スタッフの数を少なくするとか,ヘルパーが担当する数を増やす事である。 英国国民も保険医療の資源には人材,財源など限りがある。長く待たされるのは医療費が無料だからだ。金持ちも貧しい人も同じ時間だけ待つから我慢ができると答えている。実際は英国人に多い股関節壊死症などは命にすぐ影響のない症状であるので,人工骨頭の入れ替え手術までに1年以上待たされる。リュ?マチの様な痛みが続くのに耐えかねて,個人で保険に入り,ドイツやフランスで手術を受けたりする。個人の民間保険への世帯加入率は13%位である。NHSの診察予約が待切れなくて,早く治療を受けたい人はいわゆる"out-of-pocket"(自己負担)でプライベート(民間)病院で診察を受ける事が出来る。自由診療なので高額になることが多く,患者が民間病院に流れると云う事もない。民間医療への支出(out-of -pocket)は国民医療費の10%ぐらいとなっている。 NHSのような中央集権的組織はその時の政治に翻弄されやすい。そして政権がが何とかしようと介入する度に問題が悪化するのである。 英国の医療制度を荒廃させたのはマーガレット・サッチャー首相であると云われている。英国人にサッチャー首相の事を聞くと必ず "Thatcher Milk Snatcher" (サッチャー・ミルク・スナッチャー)と大人から子供までこのはやし言葉で皮肉る。サッチャー首相には「イギリス社会を物乞いの国から,自助努力の国に変身させる」と云う目標があった。英国では,第二時大戦後,食糧事情が悪く,子供の体力を補う為に,全学童に毎日グラス一杯のミルクを配給していた。知人の女性は爵位のある裕福な家庭で育った人であったがが,やはり子供の頃学校でミルクを飲んだ事を覚えていると云った。しかし,サッチャー首相はこの福祉への過度の依存が気に食わず,学童にミルク配給する制度を廃止してしまった。そこで「サッチャー・ミルク・スナッチャー」(スナッチャーはひっったくると云う意味)という韻を踏んだ言葉が後世まで残った。これは彼女がその後医療費の大幅な抑制を進め,手術までの待ち時間を2年まで長期化させたことへの怒りも含んでいる。 1979年政権についたサッチャー首相は医療費の赤字削減に取り組んだ。サッチャーはNHSの非効率性を排除する為に,NHSに「内部市場」を創設し,競争原理を導入した。結局サッチャーはそれまでNHSの抱えていた受診出来るまでの待ち時間の長期化などの問題を深刻化させた。 サッチャー改革の医療費抑制と競争原理の導入は医師・看護婦の士気の低下を招いた。給与所得が低く,労働条件が過酷な為,医師.看護婦の海外への流失が続き,医師の新規登録数は2000年までの5年間に26%減少した。医師の中には人間を診るより,動物専門の医者になった方がストレスが掛からなくてよいという新聞記事を読んだ事を覚えている。この時期医者の自殺数は他の業種の2倍に上ったという。看護婦不足の穴埋めをアジア,アフリカから雇い入れてた(英国のメディアは輸入していると表現)スタッフが補っている状態であった。英国の医療はまさしく「第三世界並み」と揶揄される程荒廃した。 1997年に就任した労働党ブレアー政権は,病院の待機時間の短縮が最重要課題となった。 ブレア政権の改革により治療までの待ち時間を大幅に短縮された。97年当時6ケ月以上待たされていたのが,13週間に短縮。手術までの待ち時間も2年から,26週間以内に改善。 ブレアー政権は医療支出の大幅拡大,医師看護婦の大幅増員などNHSの改革に本格的に取り組んだ。サッチャー政権・メージャ政権下の医療費抑制によって英国の対GDPの国民医療費水準がOECDの平均を2ポイント下回って,1997年GDP比6.6%と最下位に落ちた。 そこでブレアー政権は2000年から2010までに100の病院と7000のベッドを新設する計画をたてた結果,目標は2006年に達成された。 しかしブレア政権発足当時の1997年にNHSの予算は340億ポンドに過ぎなかったものが2008年にはその3倍に急増した。医療支出の対GDP比は1997年の6.6%から, 2004年には最下位の座を日本(小泉・竹中時代)に譲り,2007年にはGDPの8.4%にまで高まった。ヨーロッパ諸国の平均並みの9%台にまで引き上げる事を目標にしている。 又医療費の大幅拡大については個別の医療技術の費用と効果についてガイドラインが作成されている。国立優良診療研究所(National Institute for Healthand Clinical Excellence: NICEは1999年に設立された。科学的な根拠(エビデンス)に基づき,診療(施術やケア)や医療技術(新薬や治療法)のガイドラインを作成している。医薬関係のアナリストをしているキャサリン・ストートン女史によると,新薬を含む医療技術の評価に関して,臨床上の有効性,すなわち治療の成果(アウトカム)及び費用・効果の経済効果で評価するという。 NICEのガイドラインは実質上,NHSサービスの治療や薬剤使用を規定する役割を果たしており,しばしば製薬会社や患者と利害関係者との間で法廷係争を起している。 NICEは「リレンザ」やロッシュ社の「タミフル」などのインフルエンザ薬などの評価勧告で日本も含め世界中に影響を与える事になる。 日本にはNICEのような評価機構がないからである。 NICEの方法論の論理性と透明性については一般から広く受け入れられている。 薬価が医療費の大きな割合を占めている米国や日本ではNICEの評価の仕組みは大いに参考になると評判が良い。 またNICEは経済効果を考慮に入れて,患者一人年間 £30,000 (420,000円)と上限を設けている。 最先端のガン治療方法や有効な抗ガン剤が開発されたのに,経済効果だけでで判断されて英国民は利用出来ないと悲痛な声が聞かれる。英国では費用効果の低い診察を行なわない為,ガン専門医の数が少ない,従って,ガン患者の5年生存率は確かに米国に比べ低い。Lancet Oncology の2008年の調査によると,米国では前立腺ガンの5年生存率は91.9%であるのに対し,英国では51.1%と低い。乳ガンでは2002年のWHOのデーターベースでは,米国では10万人に対し19.2%の女性が乳ガンで亡くなるのに対し,英国では10万人に対し24.3%が乳ガンで亡くなる。ブログ上には「自分はガン患者だが,自分の余命はNHSに握られている。自分の命はNICEの上限の£30,000 (420,000円)の価値しかないのか!」とヒステリックな意見が掲載されている。英国人と話していると,ガンに対する恐怖が物凄く強い事が分る。ガン即「死に至る病気」と直結して考える,まるで一昔前の日本人の様だ。英国人はガンになったら十分な治療が受けられないのではという不安を抱えたままだ。 国民の不安に乗じるのが上手いデービッド・キャメロン保守党党首は自分がが政権を取ったら,ガン治療薬に制限を設けないと今年5月の総選挙のマニフェストに唱っていた。 (終り) |
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